コンピュータ囲碁について・その8「第3局、アルファ碁は中盤も人間を超えている」

第3局は、アルファ碁の強さが最大限に発揮された碁でした。
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黒15と序盤から仕掛けましたが、やや無理だったようです。
白28まで、難なく中央に脱出しました。
白30は、形が頼りないので一見悪そうな手です。
しかし次の手と関連していました。
白32!この手が凄い手です。
とても思いつかない手ですが、見れば見るほど急所に来ているのがわかります。
きつい手を打ったかと思えば、白36とあっさり体をかわします。
しかし黒37の追及に対しては、一転白38の最強手で反撃しました。
変幻自在の打ち回しです。
白76となって、早くも黒絶望的な形勢になってしまいました。
ちなみに白50や白62といった手は明らかに悪手なのですが、その損失は無視できるレベルのものです。

この対局は、連敗して後のない李九段の必死の頑張りが印象的でした。
序盤はそれが裏目に出てしまいましたが、ここからも気力を振り絞って戦います。
黒77は、誰も気が付かないような手です。
ここから無理やり事件を起こして、上辺の白と刺し違えようという捨て身の作戦です。
白はここでも冷静で、90や112とがっちり生きました。
然らばと黒は113から策動し、125に勝負をかけました。
普通では手にならない所ですが、結果的にコウに持ち込んでは大成功といえます。
しかし、残念なことにコウ材が足りず、逆転には至りませんでした。

トップ棋士の中でも特に李九段は戦いを得意にしていますが、その李九段が戦いでコンピュータに遅れを取ってしまいました。
第1局に引き続いてのことですから、これはコンピュータは中盤戦も人間を上回っている、と考えざるを得ません。
コンピュータの戦力分析は更新され、中盤戦までにリードしていなければ人間は勝ち目がない・・・そう思われました。

2016年03月24日