コンピュータ囲碁について・その6「世界に衝撃走る」

アルファ碁対李世ドル九段の世紀の五番勝負、緒戦はなんとアルファ碁の勝利でした。
世界中のアマやトッププロ棋士、囲碁を打てない方にまで衝撃が走りました。
こんなことがあって良いのか・・・。
可能性としては考えていましたが、やはり実際に結果を見ると呆然としてしまいました。
しかし内容としてはどうでしょうか。
この対局は李九段に油断があったように思えました。

http://gokifu.net/t.php?s=8291458821037868
黒7の手はバランスが悪く、プロが打ちたい手ではありません。
明らかにコンピュータの力量を試した手です。
前例がない手に対してどう対応するか見ようとしたのでしょう。
黒23が恐らく打ち過ぎで、白24からの反撃が強烈でした。
「感覚」で言えば白は無理な形ですが・・・このあたりの強さはディープラーニングとモンテカルロ法のハイブリッドという印象があります。
白82からのサバキは華麗ですが、結果はどう見ても白損です。
白102は李九段も予想しなかったであろう鋭い手ですが、白106は大悪手です。
黒が追いついたように見えました。
しかし黒123が問題で、隅の地を取られて黒負けになりました。
白も130という酷い悪手を打っているのですが・・・黒のミスの方が大きかったようです。

このように、李九段がミスによって負けた印象を持ちました。
よって1敗を考慮に入れてもこの五番勝負は李九段が勝つだろう、と却って希望を持ったのでした。
しかし、その予想は大きく裏切られる結果になりました。

2016年03月24日