コンピュータ囲碁について・その5「アルファ碁登場」

2016年1月28日、とんでもないニュースが飛び込んできました。
「アルファ碁、プロ棋士に初勝利」
最初は、9路盤で勝ったのだろうと思っていました。
9路盤というのは19路盤に比べて遥かに世界が狭く、プロが負けるのは早いと思っていました(それでも、実際にはプロに勝てていなかった)
しかし聞けば19路盤だということ。
わずかの期間に一体何が起こってしまったのか・・・

慌てて情報を集めたところ、このアルファ碁がディープラーニングの技術を用いていることがわかりました。
ディープラーニングについての知識は殆ど持っていませんでしたが、私はこう理解しました。
「必要な情報だけを抽出する技術」
囲碁でいえば、「良さそうな手だけを考える技術」ということになります。
囲碁の初心者であれば広い盤面の中でどこに打ったら良いのか全くわからないと思いますが、
棋力が上がっていくにつれて「良さそうな手」というのは直感で浮かぶようになります。
コンピュータが直感を身に着けたとなれば、もはや囲碁の広大な世界をしらみつぶしに探索する必要がありません。
コンピュータが人間を越すということは、「直感で」理解できました。

さて、実際に対局を見てみますと、対局者のプロ棋士の方は一般にイメージされるプロ棋士ではないことがわかりました。
私は中国のプロ組織についてあまり知識がありませんが、恐らく現在中国のプロ棋戦に参加しているわけではないと思われます。
棋力としては私に2子ぐらいではないかと感じました。
しかし、その相手に5連勝ということは、アルファ碁は先以上の差があると考えられます。
実際に棋譜を見た感じでは、私に先で良い勝負と感じました。

http://gokifu.net/t.php?s=1031458817521643
白36からの打ち方、こういうことをコンピュータがやるのは初めて見ました。
そして白58!これがまさに感覚の一手です。
従来のコンピュータですと傷を正直に守る手しか打てなかったでしょう。
この手を見た瞬間に、近い未来に人間が負けることは確信しました。
問題はそれがいつなのか・・・。
李世ドル九段との決戦は5ヶ月後ですから、相当な進化を遂げていることは間違いありません。
それでも希望的観測を込めて、李世ドル九段の勝利を予想していました。

2016年03月24日