最終局、李九段はなんとしても勝ちたかったはず。
とにかく大きなミスを出さないように心がけていたように見えました。
ただ、堅くなりすぎてしまったでしょうか。
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毎日3万局の模擬対局を行っているアルファ碁に流行り廃りは関係ないように思えますが、白12のような最新の手を打っているのが面白いです。
ただ、白16の手によって全く違った意味を持ってきます。
人間のプロは右下に余裕を持たせるために白12を打ちましたが、アルファ碁は碁盤を大きく使うために打っている、と考えられます。
黒17からの仕掛けへの一連の対応からも同様の思想(?)が読み取れます。
黒25までの分かれは互角のように見えます。
右下の地は確かに大きいですが、白も良い姿です。
アルファ碁得意の碁形であろうことを考えると、むしり李九段としては勝ちにくくなったようにも見えます。
しかし、右下白48からの折衝はあきらかに失敗でした。
他の利き筋やコウ材をすべて消してしまいました。
ややこしい攻め合いの読みは苦手なのでしょうか?ここで黒優勢になりました。
しかし黒69はどうだったか?結果的にはこの手が敗因かもしれません。
白70とボウシされると白80までほぼ一本道、ここで黒に迷いが生じました。
黒81では膨らみで問題なかったと言われていますが、対局者としては警戒するのもやむを得なかったかもしれません。
実際に第1局、第3局と予想外の強烈なパンチを貰っているのですから・・・。
ともあれ黒99まで凹まされては白のペースになりました。
そして黒107への対応は流石のものです。
白112の剛手など思い付いても相当打ちづらい手ですが、躊躇なくやっていきます。
かと思えば白124であっさり攻めを放棄してしまう・・・。
このあたりは流れを重視する人間とは根本的に違うところです。
アルファ碁最大の強みかもしれません。
白166までと進み、どうやら白勝ちが確定したようです。
ここからアルファ碁にはミスがありませんでした(白からコウを仕掛けるチャンスなどありましたが、危ない橋を渡ろうとしませんでした)。
李九段としても最善を尽くしたと思いますが、もはやチャンスはありませんでした。